THE STUDY ABOUT BUSINESS TRIP WITH OUTDOOR PRODUCTS.

カナメストーン、
アウトドアプロダクツと奈良出張へ行く。

2025年のM−1グランプリにおいて、敗者復活で見事決勝進出を果たしたお笑いコンビ・カナメストーン。日本中を沸かせたあの夜から2人は大忙しで、テレビには引っ張りだこ、漫才ツアーでは全国を飛び回る日々を送っています。この日は、〈アウトドアプロダクツ(OUTDOOR PRODUCTS)〉のバッグを携え東京から奈良のM-1ツアー会場へ。大遅刻からはじまったその一日に同行しながら、彼らのファッション観や、旅の流儀について聞きました。

  • Photo_Kosuke Matsuki
  • Text_Keisuke Kimura
  • Edit_Yuri Sudo

東峰零士

1986年、茨城県生まれ。2009年に中学校時代からの親友・山口誠とNSC東京校に入学し、2010年カナメストーンを結成。2017年よりマセキ芸能社所属。2025年、結成15年のラストイヤーにM-1グランプリ2025の敗者復活戦を勝ち上がり、初の決勝進出を果たす。

X:@REIJITTY

山口誠

1986年、茨城県生まれ。2009年に中学校時代からの親友・零士とNSC東京校に入学し、2010年カナメストーンを結成。2017年よりマセキ芸能社所属。2025年、結成15年のラストイヤーにM-1グランプリ2025の敗者復活戦を勝ち上がり、初の決勝進出を果たす。
X:@ks_yamaguchi

Instagram:@ks_yamaguchi

PROFILE

SELECT BAGS

写真左(零士さん):DAYPACK 452S X-LARGE(TANGERINE)¥9,900、ROLL BOSTON 232 X-LARGE(TANGERINE)¥7,480
写真右(山口さん):ROLL BOSTON 220 X-SMALL(PINENEEDLE)¥3,080

「本当にすみません!」からはじまったドタバタ奈良出張。

15:25

「ホントに、すみません!!!」

その一声とともに、今回の出張取材は幕を開けました。息を切らして東京駅の待ち合わせ場所に駆け込んできたのは、カナメストーンの零士さん。理由を聞けば、自宅から渋谷まで移動してからチケットを忘れたことに気づき、引き返したとのこと。すでに到着して待っていた相方の山口さんが、「キビシイ.」と笑いながらお出迎え。

2人は中学生からの親友同士で、同居してから16年。文字通り、四六時中一緒にいるし、新幹線でも離れることはありません。

零士:いつも隣だもんな。

山口:モチロン.

零士:もらったチケットが離れてたら座席変更してでも隣に座るんですよ。

山口:ACでな。

零士:座席のBを空けて、AとCに座るフォーメーションが最強ですね。

18:00

約2時間新幹線に揺られ、京都駅に無事到着。そして、構内を歩く2人のうしろ姿からは、服好きであることがヒシヒシと伝わってきます。

M-1決勝での衣装に目を奪われたひとも少なくないはずです。山口さんは〈エンジニアド ガーメンツ〉のセットアップで、零士さんはオーダーでつくったという丈感が計算され尽くしたオレンジジャケット。

そんな服好きの2人がファッションの師とあがめるのが、いまはなき名店「原宿キャシディ」の八木沢さんです。

零士:もう丸パクリしてるんで、マジで。

山口:10年以上前なんですけど、俺らが吉本にいたときに、作家さんから「お前ら汚ねえんだよ」って言われて。当時は2人とも、舞台衣装を古着でやってたんだよな。それも、高ぇ古着な。

零士:で、どうするって雑誌見てたら、2人がかっこいいと思うやつが全部「原宿キャシディ」のものだったんです。

山口:モチロン.

零士:一旦行ってみるか、って行ったら、最強のおじいちゃんがいて(笑)

山口:そこで一気に取り込まれてな、俺らも。

零士:八木沢さんに言われたら、マジでそれは信頼できるっつーか。欲しい服で悩んでたけど、サイズが変だったら「買わないほうがいいですね」とか普通に言ってくれるんで。

山口:ちゃんとベストを選んでくれてね。

零士:「原宿キャシディ」が今年の1月で無くなっちゃったので、いまは全然買えてないですよ。これから、お金はいままでよりも入ってくるであろうと思うんです。でも路頭に迷ってます。買えてない。どうしたらいいんだっていう。

山口:2人で選ぶしかないもんな。

零士:山口に「これどう思う?」って相談したら「かっけー!」しか言わないから。絶対褒めてくれるから。

山口:タシカニ.

19:15

京都からはジャンボタクシーに乗り、芸人仲間と奈良にあるライブ会場へピットイン。今日のイベントは「M-1グランプリ2025 スペシャルツアー」で、決勝進出者も多数出演する舞台です。

M-1終了後から目まぐるしい日々を送る2人は、奈良滞在も余裕はなく、この日は日帰り。とはいえ、知らない町へ行くことが大好き。いまも家から自転車に乗っては遠くへ出かけているそうで。

山口:飛行機とかで遠出っていうのはあまりできていないですけど、自転車ではよく行くもんな。

零士:山口が急に心霊スポットに連れて行ったりするんですよ。

山口:ナニッ.

零士:自転車を買ってサイクリングしに行くってなったとき、山口が「ちょっと行きたい場所がある」って言ってついていったら、川沿いに着いたんです。ちょっとここおかしい、なんか変だって言ったら「え、なんで気づいたの?」みたいな。「え、霊感あんじゃね零士?」みたいな。

山口:頭痺れるんだよな。

零士:最近芽生えちゃって、そういうとこ行くと俺、頭が痺れるんですよ。

山口:これからはもっといろんなとこに行きたいけどな。

零士:そうだな。アメリカとかで爆買いしてーよな。

さて、そんな彼らの今回の旅のお供は〈アウトドアプロダクツ〉のバッグたち。零士さんは巨大なボストンバッグに、同じく大きなバックパック。山口さんはミニサイズを使用中。

零士:カラバリがあるとなると、必ずオレンジを選びますね。〈アウトドアプロダクツ〉のオレンジもかなり好きなオレンジでした。俺、漫才師の割に荷物が多いんで、デカいバッグが助かるんです。

山口:俺は普段大きいトートバッグひとつなんですけど、それだと小物を取り出すのとかが大変なんで、〈アウトドアプロダクツ〉の小さいバッグを使わせてもらってます。細々したものを入れるのに便利で。

出番が迫る中、ふと、零士さんの大きなカバンの中から取り出された2枚のシャツ。舞台用のもので、それぞれ裾の部分にはオリジナルの刺繍が入っています。KSは「カナメストーン」、KRSは「カナメストーン零士」の略。この技も、服の師である八木沢さんから授かった技だそう。

誰からも見えない場所であっても気は抜かない。それは2人の緻密な漫才とも通ずる部分かもしれません。

19:40

「自分たちが笑えるネタをつくりたい。それが1番いい」と話す零士さん。楽屋では、この日に披露するネタの動画を見て復習しつつ、声を上げて笑うふたり。その姿が、まさにその証明です。それにしても、楽屋でも本当に仲がいい。

零士:俺らがやる漫才にとって、こういう時間も意外と大事だったりするというか。狙ってやってるわけじゃなくて、いつも2人でこんな感じです。

山口:別に仲良いのをみせつけてるわけじゃなくて。

零士:周りが見てくれるようになっただけ。見てくれるひとが増えただけで、別にずっとやってたことですから。なにも変わらないっすよ。

ほかの芸人さんからも好かれていて、楽屋にはおしゃべりにくるひとが多数。たしかに、こんなにいい雰囲気の楽屋なら、どんなひとも吸い込まれていってしまいそう。

零士:後輩でも全然いじってきますよ。山口と一緒になって俺をいじってくるみたいなのは、図式としてできあがってますね。

山口:あと俺ら、芸人が大好きなんですよ。

零士:そうだな。だから喋りてぇっていう。俺らが思ってるようなことも、みんなも思ってたりするんだろうなとかって思うと、やっぱ仲間みたいな感じで思っちゃうんすよね。

20:00

2人といえば「オレンジとカーキ」という印象がいまや定着しました。そうなったのには、ある先輩の助言があったと言います。2019年のことでした。

山口:あるとき事務所の先輩である狩野(英孝)さんと3人で飲んでたんですけど、そのときはお揃いの紺ブレが舞台衣装だったんです。で、狩野さんが「その衣装は零士のキャラに合ってない気がする」って。

零士:ちょうどそこに「ナンジャモンジャ」っていうカードゲームがあったんです。いろんな色の謎生物が描かれたカードなんですけど、引いたカードのキャラクターの色に衣装を変えよう、一発勝負だって言われて。わかりましたって引いたら紫が出て、もう1回引け!ってなって、オレンジが出て、よしこれだ!と。そこから「洋服の並木」にすぐつくりに行ったんです。

山口:運命だよな。

零士:そこでお前もカーキにしてな。

山口:零士がオレンジの衣装にするっていうタイミングで、オレンジには何が合うのかなみたいな。で「キャシディ」行って、八木沢さんに「これなんかどうですか?」ってオススメされて。「かっけー!」ってなって、オレンジとオリーブになりました。元々俺はミリタリーも好きだったこともあって。

零士:最初は違和感あったんすけど、舞台出る時にジャケットを羽織ったら「やべえな、この衣装に負けないようにしないといけねえな」みたいに思うようになって。こんなオレンジのやつが出てきて、何にもしなかったら「いやいやいや」ってなるじゃないですか。

山口:これも狩野さんに聞いた話ですけど、狩野さん自身が、元々黒スーツでネタをやっていて。ある時オーディションで落とされたんですけど、白スーツにして同じネタをやったら「すっげー」ってなって一気にブレイクしたと。もちろん実力もありますけど、衣装ひとつで見え方って変わるんだなと。

零士:あとお前は楽屋で威圧する意味でも、カーキにしたんだよな。

山口:モチロン.

零士:全然効果ないけどな。

この日もM-1の勢いそのままに、会場を笑いに包むカナメストーン。そこで登場した小道具は、くだんのイルカです。

M-1にて零士さんの甲高い声に、フットボールアワーの後藤さんが「日本中のイルカがこっち向いてると思う」とコメントしたことが話題となり、そのすぐあとにイルカのグッズを多数購入したといいます。いまではオレンジとカーキ、そしてイルカも彼らのアイコンに。以下の動画では実際に「イルカは振り向くのか」の検証も行われているので、ぜひ見てみてください。

20:10

そして、零士さんがずっと持っていたこのボストンバッグ。着替えなどは一切入っておらず、なんとイルカ専用だったのです。

山口:イルカぴったり入るんだもんな。

零士:だいぶきつきつめに入ってくれてたけど。これ、サイズが本当にジャストで。イルカ専用です。

山口:ナニッ?

零士:取手の長さもちょうどよかったですね。長すぎると多分ちょっと疲れちゃうから。肩にもいい感じにかかえられるし。

山口:素材が「CORDURA®」っていうのもうれしいよな。強い素材なんで、雑に扱っても平気だし、アメリカ軍にも採用されているし。

零士:昔、コーデュラ素材のブレザーを持ってて。それもすごいよかったし、ワンランク上の素材の感じもありますね。

舞台を終えたふたりは足早に帰京することに。帰り際、関係者や芸人仲間ひとりひとりに丁寧に頭を下げる姿は、さっきまで舞台で大きな笑いをかっさらっていたコンビと同一人物とは思えないほどの実直さ。これがカナメストーンの本質なのかもしれません。舞台上ではどこまでも自由に、舞台を降りれば誰よりも誠実なのです。

21:30

M-1決勝進出後、ふたりを取り巻く景色は一変しました。テレビの仕事量は、たった1ヶ月でこれまでの16年分を超えたと言います。

零士:いまは、楽しいのと、いろいろ挑戦している最中って感じです。あと「行けーーー!」って感じですね。

山口:モチロン.

零士:「かましてやれー!」みたいな。今まで見てた番組だったり先輩に、面白いって思われるぞー!っていう。

山口:モチロン.

零士:服もいっぱい買いたいしな。

山口:買い物してーな。パチンコも行きてーしな。

零士:とりあえず今日は帰って、酒飲みながらパチンコのYouTubeだな。

山口:シビィ!

帰りの新幹線も、もちろん隣同士です。オレンジのバッグを網棚に上げ、イルカとミニバッグを膝に乗せて、窓の外を眺めるふたり。次に向かう先がどこであれ、同じように隣に座り、同じような会話をしながら、仲良く歩みを進めるカナメストーンなのでした。

ふたりのバッグの中身

山口さんのかばんの中身

最近集めているというエイリアンのフィギュアは、舞台で何かがあったとき用に。ふたりの目をグッズ化した目鏡(めきょう)は身だしなみチェックに使用中。そしてアレルギー体質である山口さんにとって、いろんな薬は必要不可欠。花粉症の錠剤に点鼻薬、かゆみの塗り薬など。

零士さんのバッグの中身1

〈SOUTH2 WEST8〉のポーチには薬やハンドクリームをはじめ、大事な喉をいたわるグッズを。ほか、お気に入りだという〈ヒポポタマス(Hippopotamus)〉のタオルに、差し入れでもらったお伊勢さんのスプレーも欠かせない。川越の「Tsui」のシューズは、オレンジの生地が内側に貼られた特別仕様。

零士さんのバッグの中身2

茨城の大洗にある「大洗水族館」で購入したという、全長1メートルほどのイルカのぬいぐるみ。山口さんから零士さんにプレゼントしたという。これが驚くほど〈アウトドアプロダクツ〉のボストンバッグにすっぽり収まる!

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